FXをはじめる前に、業者選びや確定申告、戦略について考えておきましょう。 何事も最初が肝心です!
FXをはじめる前に
店頭取引と取引所取引(くりっく365)を知る
■店頭取引と取引所取引
FXが個人で行えるようになったのは、1998年。そのときは、「店頭取引」だけでした。「店頭取引」とは、それぞれの業者が作ったルールの下に取引されることをいいます。スワップポイントやスプレッドなどの条件が、各業者によって違いますよね。一般的に、FX業者といえば店頭取引業者を指します。
一方、「取引所取引」とは、“くりっく365”というブランドで、東京金融取引所が上場させたFX商品です。2005年に、高い安全性と透明性を目的として誕生しました。取り扱い業者は、限られた16社のみとなっています。
両者は、FXの取引としてみれば、ほぼ同じと考えて大丈夫です。違いは、取引の主体です。店頭取引は「投資家と業者」、取引所取引は「投資家と取引所」となっています。後者の場合、取り扱い業者は仲介しているという形です。しかし、取引をしているときに違いを体感することはありません。
■店頭取引(FX)のメリット・デメリット
店頭取引のメリットは、手数料が安いことです。0円の業者も多くなっています。また、業者によって差があるので一概には言えませんが、情報やレポートの豊富さ、システムの使いやすさもあげられます。
デメリットは、信用できない業者もあるため慎重になるべきなのと、税率の高さです。前者は自分がしっかりしていれば問題はないことです。
■取引所取引(くりっく365)のメリット・デメリット
取引所取引のメリットは、「安全性が高い」「レートが有利である」「税制の優遇がある」ということです。安全性については、選ばれた業者に限定して取引が行われているためで、レートが有利というのは、複数の金融機関の情報を元に、もっとも有利な金額を提示しているためです。
デメリットは、手数料が高いことでしょう。ただ、スプレッドやスワップポイントも厳密に比較するとそうとも言いきれない場合があります。
FXと確定申告
“店頭取引と取引所取引”の項で、「税金」について触れていますが、ここで詳しく説明したいと思います。投資で利益が得られたら、確定申告をして税金を納めなくてはなりません。雑所得の合計が、給与所得者は20万円以上、専業主婦は38万円以上で、申告・納税の義務が発生します。FX以外の雑所得(株の利益など)との合算の金額です。ただし、経費(FXのセミナー参加費やFX関連書籍代など)は除くことができます。確定申告の対象期間は、1/1~12/31で、未決済分は申告しなくて大丈夫です。翌年の2月、3月頃に申告します。
■税率について
店頭取引の場合は、総合課税方式で、「給与所得+FXの利益-経費=所得合計」となり、所得合計金額によって税率がスライドします(15%~50%)。所得の高い人ほど、たくさんの税金を納めなくてはなりません。
一方、取引所取引(くりっく365)の場合は、申告分離課税方式で、くりっく365の利益に対して1律20%の税率と決まっています。給与所得金額がいくらであってもかわりません。所得が多い人は、くりっく365を選ぶと税金の節約になります。
■取引所取引(くりっく365)の優遇について
くりっく365では、そのほかに2つの利点があります。ひとつは、「損益通算」です。商品先物や証券先物取引で損益と、くりっく365の損益を合算できるというものです。(「先物取引に係る雑所得等」のくくりなので、店頭取引との損益通算は不可。)
もうひとつは、「損失繰越控除」です。過去3年間の損失が控除されます。ただし、損失を出した年に損失の確定申告をしておかなければなりません。
業者選びのポイント
FXの口座は、複数開設することをオススメします。なぜなら、各社、サービスやシステムが違うのです。口座開設・維持手数料は無料ですから、その後ゆっくり自分に合う口座を決めれば大丈夫です。それでは、業者選びのポイントを順にご紹介していきましょう。
(1)店頭取引かくりっく365かを決める
はじめに、店頭取引業者とくりっく365、どちらをメインの口座とするのか決めておくとよいでしょう。両方取引してみるとよいと思いますが、税制優遇や手数料といった実質的な違いがありますからね。
(2)信用性
次に、最も重要な信用性です。取引のために預けた資産は、万1取引業者が破綻したらどうなるのでしょうか?少し不安ですよね。
ポイントは、「信託保全」をしている業者を選ぶことです。業者の運用資金と投資家の資金を分けて管理するもので、業者に万1のことがあっても保証される仕組みとなっています。
ちなみに、くりっく365の場合は、どの業者も安全なので考える必要はありません。
(3)取引サイトのデザイン・操作性
続いて、取引サイトのデザインや操作性をチェックします。意外と軽視されますが、使いにくいと、チャンスを逃したり、操作ミスをしてしまったりすることがあります。取引画面やチャートなど、各社個性があるので、まずは試してみましょう。
また、モバイルツールも必ずチェックしておきます。外出先では、ケータイで注文を出すこともありますし、ニュース速報も受け取るようにしておけば、いつでも急な相場の変化に対応できます。
(4)取引単位とレバレッジ
続いて、取引単位とレバレッジについて確認しておいてください。これは取引の大きさやリスクに関わります。
取引は、たいてい1万通貨単であることが多いのですが、中には、1000通貨単位や100通貨単位から取引可能な業者があります。初心者の方は、はじめのうち、こういった小さな取引ができる業者で慣れていくようにしましょう。
レバレッジについては、初心者は1~40倍くらいの業者を選ぶのが妥当です。
(5)その他の条件
最後に、手数料、スプレッド、スワップポイント・・・などの条件を確認します。より有利であることに越したことはありませんが、よほど他社より不利でない限り、①~④であげたポイントのほうが重要です。
準備するべき余裕資金とは?
「FXは余裕資金で」といいますが、余裕資金とは何でしょうか?余裕資金とは、長期間使わなくてもよいお金のことです。かつ、将来的な備えとも分けて考えておきましょう。1番近い表現としては、お小遣いです。「生活費」、「貯蓄」、その次に「投資」です。ハイリスクである以上、悪く言えばギャンブルと同様にとらえ、生活費や貯蓄には絶対に手を出さないようにしてください。特に、加熱しやすい性格の方は注意しましょう。もちろん、借金してまで始めてはいけません。
一般的な考え方としては、総資産の10%くらいを投資にあてるのがよいといわれています。100万円の資産があるとしたら、90万円を貯蓄、10万円を投資です。普通預金で持っていることが必ずしも賢い運用とは言い切れませんが、残念ながら最悪も想定しておく必要があるのです。そして、常にそのパーセンテージを維持できるように考えておきます。投資で10万円の利益が出たら、やはり9割の9万円を貯蓄にまわすようにしてください。そうして、徐々に資産を増やすのが安全な方法です。
利益をまた次の投資にまわして、どんどん積み上げていく人がいます。それだと、勝ったり負けたりを繰り返すうちに、利益を確保し切れなくなりますよ。マネーゲームに陥ってしまって、大きくかけるようになり、1度の負けでそれまでの利益を無駄にすることも少なくありません。
パーセンテージは、それぞれの事情に合わせて10%でなくてもかまいません。大切なのは、その自分が決めたルールを守ってFX取引を続けることです。資産を失って、「FXはこわいからもうやらない!」と退場していく人をたくさん知っています。ゆっくり考えてみてくださいね。
利益目標と戦略の立て方
「大きな利益は出せなくてもよいので、もっとも安全な取引をしたい。」
「多少の資産を失うことは覚悟しているので、大きく勝ちたい。」
この両者では、戦略が同じではありませんね。これから2つの例をあげます。極端な例ですが、目標に応じて両者のバランスをとった戦略を考えてください。
■年間10%アップ
まず、安全なところで、1年で10%アップを目指す方法。資金が20万円としたなら、1年で22万円になるということです。余談ですが、円定期預金だと、ネット銀行のキャンペーンを利用しても年利はせいぜい1%程度にしかなりません。それに比べれば、大きな利益です。この場合は、金利差益でスワップポイントを狙いましょう。
そのためには、豪ドルの買いポジションを取ります。オーストラリアは資源が豊富な国で安定感があり、為替の変動も大きくありません。そして何より高金利です。日ごろから細かく相場をチェックしなくても大丈夫!
1万豪ドルの買いポジションを取ります。レバレッジ3倍だと、20万円で買えます。1年間このポジションを維持できれば達成です。もし、その間に相場が2円上昇したら2万円の利益なので、そこで決済しても達成です。大きく予想と逆に動いたら損切り、うまく上がったらストップ注文を上げていきます。
■年間100%アップ
では、今度は1年で100%アップを目指す方法です。資金が20万円としたなら、1年で40万円になるということです。10%を目指すときと違って、レバレッジを大きく使い、こまめに取引しないと達成できません。毎日相場をチェックし、危険だと思ったら損切りをします。
儲かるチャンスが大きいのは英ポンドですが、初心者は危険なので、米ドルで挑戦します。基本的には短期トレードを心がけ、ファンダメンタルズやテクニカル分析をしながらポジションをとります。そして、決済も同様に分析してタイミングをみます。
ひと月に3~4万円の利益を上げればよいので、レバレッジを20倍にして1万ドルのポジションを取り、3~4円動いたところで決済します。もしくは、1円程度動いたところで決済するのを3~4回繰り返します。
スワップ狙いと違い、売り買い両方の為替差益を得るチャンスがありますが、リスクも高くなります。休むも相場ですから、安易にポジションをとらないようにしましょう。